ウィーン世紀末展

クリムトは何度か観たのだけど、シーレとお兄様のエルンストの絵はじっくり観たの初めて。
他の作家の絵も官能的。・・・・・色っぽい。静物画や風景画でさえ、憂いを持った色気。
クリムトは昇華していく終末観で、シーレは堕ちてゆく終末観。肉感的で。クリムトは男性を描いても色気があるのね。
(牧歌)という宗教画のような絵があるのだけど、聖母のような女性が真中に縁どられ、両端に物憂げな二人の美しい身体を持った男性。
美しい。ミケランジェロのような光彩と肌の質感。誘うようなまなざし。
いや、誘ってるよなー。絵の中央を霞めるくらいに、両端の男性は枠に手をかけながら眼の端で、絵を見る人を、見ている。
クリムトってこんなのも描いてるんじゃなーい。キンキンとか臀部のラフ画とかばかりじゃないのよね・・・・。
後半、アールヌーヴォーやダダイズムの影響を受けながら、色んな作家が(時)をリアルに描いていく。1900年の初め。
世界大戦の始まり。
クリムトの(愛)を見てたときに思ったのだけど、シューベルトの(魔王)で出てくる(3姉妹の魔女)ってこれなんじゃないかと思った。
暗闇に天使やら魔物やらが何やら窺ってるのよね。何度父に訴えても本気ととってもらえない幼い息子。
小さい頃に母に何度もレコードを聴かせて!とねだっていたのは、追われる恐怖感になんとも言えない好奇心が湧いていたから。
おしまい。おしまい。捕まったらおしまいなんだよ、と。ワクワクしていた。


クリムトが持つ、その(愛)や(官能)の中で(おしまい)を魅惑的に魅せていたので、ずっと私の中からはなれなかったんだろう。
いとおしむ背中や、腕や、首や胸骨や恍惚の表情が。心地いい。


シーレは・・・シーレは正直苦手だったんだけど。彼には腕や肩や、見たいパーツがあるみたいで、全てそれがバラバラになってるみたい。
ダダイズムやシュールリアリズムのはしり、みたいなのかな。彫像(自分の)あったけどシーレが粘土いじってたら絶対面白かったのに!
・・・・・・立体とか彫刻のシーレが見たかったな(あるのか知らないけど)
絵の中で、粘土こねてる感じがする。あとゲイ受けする気がする。男前だし。