逃亡くそたわけ


逃亡くそたわけ (講談社文庫)

逃亡くそたわけ (講談社文庫)


気が触れても 彼女と歩いてた。



気が触れても、真っ当に人間らしく、人らしく旅を続けていたじゃないか、と思う。本当に気が触れて旅に出てしまうと、(ピクニック)になってしまう。とりあえず、私は吐きそうになった。
私の悪友であり、親友の味に言わせると(完全に正常な人間なんていない。どの人もみな、ずれていて、どこかが病気で、そのずれが人それぞれなだけ)と、いつものようにニコニコと笑って答える。
実はコイツ、躁なんじゃないかと思ったことがある。大好きな友達だけど、一緒に遊んでいるとものすごく心身ともに疲れるんである。
そうゆう人間、身近にいますよね、と高橋葉介先生は仰ってたけど。すごく楽しくていつまでもハイテンションで、躁鬱が激しかった頃の自分だととても大変だった。季節の変わり目には気持が高ぶって眠れないし、高校生の私はとても厄介な人間だった。
大丈夫大丈夫と強い力でひっぱられる感じだった。とにかくタフ。今でもタフな子なんだけど、オトナになってお互いだいぶ落ち着いた。


・・・・・そんなことを思い出しながら、ピーズを聴きながら、読んだのでした。


まだ若い、新人なんだろうなあ、と思った。男女の書き方が、最初から最後まで何かに共通する友人のまんまで、ボニー&クライドだけど、愛の逃避行にはならなくて、青臭くて、生きてるんだよーと笑ってる感じする。


と、思ったら作者1966年生まれ。しかも東京生まれ。わっかいなあ、文章、おい。今の40代の感性ってホント、若いよ。